Imamura Yoshimi

今村意仁

お客様の笑顔を創造する
ベストパートナーであるために

推薦文

「経営者 今村意仁」の優れた5つの資質
株式会社ミルボン 代表取締役社長 佐藤 龍二

私と今村社長とは同い年で、これからの美容室のあり方、またリーダーとしてのあるべき姿などの考え方において相通ずるところが多くあり、お互いに学び合い、刺激を与え合う間柄です。5年ほど前からは、今村社長が経営するアイムインターナショナルの幹部研修で講義をさせていただく一方、今村社長には当社の新入社員研修でお話をいただくなど、単なる取引先、仕入先にとどまらない強固な信頼関係のもとお付き合いをさせていただいております。

私どもミルボンと今村社長は20年以上前に、理美容室・エステサロン経営者の団体であるSPCを通じて出会いました。その後、美容師をトータルにサポートする「フィールドパーソン」、各分野で最高峰の技術や考え方をもった美容師に協力を依頼し共同開発を行う「TAC 製品開発システム」など当社の活動や考え方に強い関心を持っていただき、より親密な関係ができあがっていきました。

今村社長と当社の長いかかわりの中で印象深いエピソードが一つあります。美容室は2000年代以降それまでのパーマ中心だった収益構造がヘアカラーに取って代わります。ところが、パーマと違ってヘアカラーは家庭でもできるため、美容室として新たな価値を提供する必要性に迫られました。

そこで当社は髪を2色以上に塗り分け髪全体に動きをつけるホイルワークというカラーリング技術を開発します。今村社長はホイルワークをこれからの美容室に欠かせない技術として評価され、さっそくSPCの全国大会においてホイルワークを新しい種目に加えてくださいました。今村社長の物事の本質を見抜く目とリーダーシップに感銘を受けた出来事です。

私が思う、今村社長のリーダーとしての優れた資質が五つあります。

一つ目は、意志力です。「遠くに石を投げろ」という言葉通り、美容室を独立された当初からスタッフを100人にする目標に掲げ、その大きな夢、目標に向かい、これをあきらめることなく達成されました。その根っこには、高校を中退されて後、自分に負けたくないという思いをバネに人生への挑戦を続けてきた結果ではないかと思います。強い意志があるからこそ、こうありたいという夢を描くことができ、あきらめない強さがあるのだと思います。

二つ目が、柔軟性です。言い出したら考えを曲げないイメージが今村社長にはありますが、譲れない部分はしっかり持ちながら、それがいいものであれば素直にとりいれる柔軟性を持っておられます。ある時、新店を出される際のチラシのデザインがほぼできあがっているにもかかわらず、こうしてみてはという当社側の提案をすぐに採用されました。自分自身で考え、本質を見抜くすべを身につけてこられたからこそ、良し悪しの中にある真理を見極める目に優れ、瞬時にその必要性を見抜いて判断できる柔軟性を生んでいるのでは、と感じています。

三つ目が、反省力です。後悔と懺悔という言葉には、どちらも悔いるという字が入っています。反省は決して謝ることではなく、何度も自らを省みることです。リーダーになると、ともすれば周囲は何も言ってくれなくなりますし、教えてくれる人もいなくなります。経営者には自分で自分を省みる力こそが問われるのです。今村社長はブログで日記を書かれていますが、その内容を拝見させていただくと、まさに日々ご自身が感じておられる思いを率直に綴られています。考えておられることを文字にして言葉にして表現されることで、考えを顕在化するとともに日々自身を省みる場にされているのだなという姿勢が伝わってきます。

4つ目が、感謝です。今村社長のスタッフに発する言葉は一見強く、厳しいものがありますが、常に周りへの感謝を忘れておらず、今村流の優しさなんだろうなと感じることが多くあります。

そして5つ目が、大家族主義です。今村社長にとって一人ひとりのスタッフはまさに家族。自分の家族、子どものような気持ちで接し、本人の幸せを願っているからこそ、厳しく叱ることができる。きつい言葉かもしれないけれどもその裏に大きな愛情があるからこそ、スタッフの皆さんもそのやさしさを感じ取って、この場で働かせてもらっていると思える。そこで築かれた絆は何者にも替えがたい強い組織力となって、アイムインターナショナルとしての会社の成長を生み出しているのだと思います。

今村社長はかつては店舗展開を増やすことで会社の成長を目指されていましたが、2年ほど前からは量から質への転換を図っておられます。京滋地域で押しも押されもせぬナンバーワンサロンの地位を確立されたうえで、これからは店の統合を図り、一つの店でヘアカットだけでなく、ネイルやアイラッシュなど美容サービスをトータルで提供していこうとする経営判断は、まさに時流に合ったものであり素晴らしい判断です。

市場は常に変化していきます。一時は一世を風靡してもその成功体験に甘んじ変化の渦に飲み込まれていく経営者も多く見てきました。その中で今村社長は、逆境の時も順境の時も常に挑戦をされ、今なお事業を革新し続けています。

今、高齢者は都心部、中でも駅近を指向されています。日常利用する生活インフラが歩ける範囲でそろっているからです。そのような背景の中で、これからの美容室はワンストップで美容に関するあらゆるサービスを提供していくことが理にかなっています。しかも、ヘアカットのサービスはネットに置き換わることなく、必ず店に足を運んでいただけるサービスです。だからこそ、今村社長も掲げておられるお客様にずっと寄り添える生涯美容師、生涯美容室の存在価値はこれからますます高まっていくことでしょう。

それはどの美容室にでもできることではありません。高い専門性を持ち、しっかりと人の教育ができている美容室こそ、そこで強みを発揮することができるのです。

組織の未来を見る方法があります。その組織の来年のことを知りたいなら、現場と財務を見たらおおよそわかります。5年後を見ようとすれば、どういうビジネスモデルかを知ればわかります。そして10年後を見ようと思えば、人材を見ればわかります。特にリーダーとなりうる人材がどれだけいるかが問われます。さらにその先を見るにはどうすればよいかといえば、組織風土、文化でわかります。組織、風土こそ組織の強さをかたちづくる土台であり、それをつくりあげることが一番難しいのです。

これを逆にたどっていくと、しっかりとした組織、風土があれば、人が育つし、人が育てばビジネスモデルができあがり、ビジネスモデルができあがれば強い現場ができます。

今村社長は、教育は教えるのではなく自分の思いや考えを語ることだとおっしゃいます。まさに私も共感するところです。自分自身で目標を掲げ、それを達成するために考え抜いてきた自身の言葉で語り、育てる環境を作り、育つ機会を作るという人材育成の王道を貫いているのがまさに今村社長です。

このたびの著作「限界を超える『自信力』」はまさに今村社長がゼロから有言実行で16店舗200人の会社に育て上げるために自ら考え抜いてきた珠玉の言葉、哲学が詰まっています。美容業界に携わる方だけでなく、リーダーシップ論、教育論、そして人生論として幅広い読者に手にとってほしい本です。

これからどのように美容業界を変え、アイムインターナショナルからどのような幹部が育っていくのか、今村社長の終わることのない挑戦の行く末をとても楽しみにしています。