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今村語録

一時の成功を捨て、「自分流」で目標を達成(下)

さらに俺は「自らの手でスタッフを育てる」ことを徹底して行ってきた。それは今でも変わらない。その原点が、社内教育機関である「アイムアカデミー(以下、アカデミー)」だ。アカデミーはまだスタッフが10人だった時期に、高校生を採用したことが発端になっている。採用したのは7人。お客様が多く来店する土、日にはアシスタントとして店に入るが、平日は練習を主体としたカリキュラムを組んだ。

先生役のスタッフは現場と行き来しながらだったから大変だったと思う。テキストも手づくりだった。スタッフがすべての技術の写真を撮影して、それを紙に切り貼りして、ワープロで打ち込んだ文章とあわせてコピーする。それを綴って教科書にしていった。技術や接客ばかりではなく、アイムの考え方という教科書も別に1冊作った。

そして俺も週に1回1時間、1年間語り続けた。そこまで手をかけ、力を注いで育てたスタッフは、辞める事なく定着する。結局、アカデミーで学んだスタッフたちがそれぞれの店で技術を磨き、さらに次の人材を育てていった。

 

目標達成の期限である2003年が近づくに連れ、アイムも追い込みに入った。それは、スタッフのための店舗展開である。多くの場合、店は集客のために立地戦略を立てていくものだが、この時はどうしたらスタッフが集まるのかを必死に考えた。

結論から言って、アイムがある京滋エリアにおいては、スタッフが通いやすい、すなわち集まりやすいのは駅から5分以内の立地になる。一時は、沿線の各駅への出店、さらには同じ駅の周辺で半径200メートルの間に3軒があるということもあった。

アホちゃうか、と笑われたこともある。そんな便利のいい場所にある物件は家賃高いし、保証料も高い。だから余計にお金も借りなければならず、銀行もいい顔をしなかった。だが、それでアイムは着実にスタッフの数を増やすことに成功した。さらに、スタッフが増えるとお客様も増える。立地としても集客に良い効果が出て、売上も大きく伸ばすことができた。

 

そうして目標達成の期限である2003年に、アイムはスタッフ100人を達成した。振り返ってみれば、前半の7年半の時点でスタッフは8人だった。だが、後半の7年半には一気に101人のスタッフが加わり、目標を上回る109人になった。俺は生まれて初めて、大きな夢が実現した。