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自叙伝

飛び立つ時は向かい風。SPCのトップに立つ(上)

どんな事でも、目標を決めなければ人は成長しない。そして、どんな組織でもトップを目指すべきだ。俺はSPCという組織に属した。だから、トップに立つと決めた。

SPCのトップとは、理事長のこと。そして、おやじが亡くなった54歳を期限にした。
理事長は基本的に、全国に13ある地方統括本部の会長経験者が選挙で選出される仕組みになっている。選挙のタイミングを考えると、俺が決めた「54歳までに理事長に就任する」ことを実現するには、50歳までに自分が所属する関西統括本部の会長に就任しておく必要があった。

もともと生意気な俺だったが、ギリギリの50歳で会長に就任することができた。

会長の任期を終え、いよいよ理事長選挙に立候補する意思を示す時期を迎えた。俺はいつも「理事長を目指す」と口にしていた。だから、周囲も俺の意思をよくわかっていたはずだ。だが、先輩方からは「今回(の理事長選挙の立候補)はなしや」と突き放された。だから自ら、「俺が出ますわ」と手を挙げることにした。

その後は、いろんな事が巻き起こってくる。選挙とは、人を巻き込み、巻き込まれる、組織での一大イベントだ。涙あり、笑いありの濃い日々が展開されていった。そうして、いろいろな仲間の支えもあって、自分が決めた通り54歳で理事長に就任することができた。

2011年4月18日、ウェスティンホテル東京で行われた春季全国大会にて、俺はSPC第26代目の理事長職を拝命した。

発表したスローガンは、「継承・変革・革新〜飛び立つときは向かい風〜」。

この時は東日本大震災の発生から間もない時期であり、この時に理事長職を受けるという重責を大いなる決意に変えて出発した。

 

理事長就任に当たり、基本方針として「損得・勝ち負け・不合理に負けない自分作り」を掲げることにした。
誰だって目の前に、損になる方か、得になる方かを差し出されれば、得になるほうを選ぼうとする。SPCでの活動は無償だから、ビジネスにおいては損とみることもできる。だから自分本位で本業に取り組む経営者もいることだろう。

だが、そうした姿勢を取る仲間がいざという事態になった時、誰が助けてくれるだろうか。対して、損得に負けない自分をつくれば、困った時に応援者が現れ、サポートしてくれるはずだ。また、商売では売上、利益といった数字が厳然と現れ、明確に勝負がつく。それで自分が卑屈になったり、自分が勝っていると優越感を覚えたりすることもあるだろう。

しかし、肝に銘じておきたいのは、厳然と現れる勝負は単なる現象に過ぎないということだ。だから、相手と自分を比べて一喜一憂することは愚かだ。大事なことは、自分自身が成長しようとしているか、常に努力できているかを問いただして生きることだ。

そして、不合理と思えることがこの世の中にはたくさん転がっている。

 

しかし、すべては心の持ちようであり、いくらでも変わる。 同じ状況が起こったとしても立場が変わり、見方を変えれば、それが逆転することもある。不合理と思えば否定の感情が生まれる。だから、それら否定の感情を乗り越えていくのだ。

もちろん人間は感情の生きものだから、一瞬一瞬に喜怒哀楽が沸き起こる。

これも肯定(喜・楽)と否定(怒・哀)に分けられる。先の話であれば、不合理を目の前にして、自分自身がどうであれ肯定的な感情を持って取り組む事ができれば、その先には喜びと楽しみが待っている。一方で否定的な感情を持って取り組めば、たとえ同じように事を為したとしても、その先には怒りや哀しみの感情に影響されて幸せとはいえない時間を過ごすことになる