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自叙伝

一時の成功を捨て、「自分流」で目標を達成(上)

いかにしてスタッフを100人にするか。達成するその日まで、俺はひたすらもがいていた。そして先述の通り100人、200人のスタッフを持つ経営者の成功パターンを真似てみることにした。具体的には、これまでと比べて価格を下げた美容店をオープンさせた。
この店は清々しいくらい、一気にお客さんが増えた。これまで自分がやってきた既存店の売上も、わずか一年で追い抜かれた。こうして店が繁盛するのは嬉しいが、なんだか虚しさが残る。「このビジネスモデルなら、誰でも成功する。それなら、わざわざ俺がやることはない」。そう思い立って、俺はこのビジネスモデルでの営業をやめ、従来自分がやってきた既存店のやり方に戻した。

 

また、この時期まで俺はお客様に理容・美容とも提供していた。だが、「俺は美容を展開する」と決めて、理容はやらないことにした。1軒だけ理容店を残してしまうと、働くスタッフが会社に取り残されるような感じがして、良い気がしなかったからだ。だから、お客様には、誠実に「理容はもう辞めます」と宣言をし、地元ホテルでお客様に「ごめんねパーティー」を開いて頭を下げた。

 

アイムでは当時、他社が取り組んでいなかった、
①内装費に費用をかける
②一ブランドで宣伝を効率化する
③一パッケージで店のシステムとサービスの質を高めることに力を注いでいった。

詳細は第2部に譲るが、①については「内装費は最小に抑える」という当時の常識を覆すように、あえて逆をいくことにした。お客様が一目で「カワイイ」「素敵」と思えるような空間演出にこだわって、当時の一般的な店の2倍超の費用を投じた。これを単に内装費と捉えればそれまでだが、お客様の反応やクチコミでの広がりを見れば広告宣伝費と捉えられる。そうした思考の転換が大事なのだ。

②については「ハンコを押したような店」という表現をよく使って説明した。当時は各店舗で広告や宣伝を打つのが一般的だったが、それを一つのブランドで捉えて展開した。そうすれば、当時主流だった新聞広告やチラシ、リーフレットなどを各店共通で大量印刷し、1枚あたりのコストも大きく下げた分だけより多くの人へリーチできるようコストを効率化することができる。

③も②と同じく、ハンコを押したような店の展開を前提とするが、1つの店で成功
事例をつくり、それをパッケージにして同じように他店で展開していくというイメージだ。

 

ブランド、席の配置、提供するサービスメニュー、営業するシステムなど、すべてが成功したものであれば、他店でも成功することは言うまでもない。これは新店であっても同様だ。また、他店のスタッフが応援で移動しても、違和感なく営業ができる。
美容室は人件費こそ利益を左右するファクターだから、客数にあわせてスタッフを効率的に配置することが重要だ。アイムはそれができたのだ。